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【学長年頭挨拶】2023年のスタートにあたって 

 皆様、あけましておめでとうございます。

 昨年は、"with コロナ"へシフトしていく社会のなかで、変化に適応しながら、教育研究と大学運営の業務を進めることが出来ました。また、イバダイ?ビジョン2030に基づき、第4期中期目標期間の取組をスタートさせることも出来ました。まず、それらのことについて皆様のご理解、ご協力に感謝いたします。一方で、世界を見れば、新年を迎えましたが、今なお続く混乱が収まる気配はありません。直ちに戦争終結を望むことは、世界の大多数の人たちが共有しているはずです。そのことを信じて、さらに粘り強く、平和を希求する心を持ち続けて、大学運営にあたっていきたいと思っています。

 さて、本学が今年、重点的に取り組みたいことを3つ挙げたいと思います。

 まず、エネルギー問題解決への貢献です。茨城大学が積み上げてきた実績の一つは、二酸化炭素を化学的に、あるいは微生物を使って回収し、それを利用してクリーンな燃料や材料を合成する「カーボン?リサイクル」の技術です。今年の目標は、さらなる技術開発を進め、国際的な教育研究や社会実装の拠点を整備し、企業や自治体の方々と連携して、研究を大きく進展させることです。

 二つ目の重点項目は、教育面での取組です。来年(2024年)4月に学部等連係課程として設置を構想している「地域未来共創学環(仮称)」について、その準備の最終仕上げの局面を迎えます。この新しい教育組織は社会変化を的確に実感して、社会現場で活躍できる人材を育成するものです。ソーシャル?アントレプレナーシップを基盤として、地域創生のデータサイエンスと、地域のビジネスデザインに焦点を当て、キャンパス内での学びだけでなく、企業や自治体などで実際に働きながら実践的な知識を身に付ける、いわゆる「コーオプ教育」も導入します。私たちの取組にご理解をいただき、ご協力のご意向をいただいている企業?自治体の皆様に改めて感謝申し上げます。

 三つ目は、国際交流の活動再開です。昨年12月に、学長を含めた代表団がインドネシアの4大学を訪問しました。本学では同国を含むASEANの国々と、「AIMSASEAN International Mobility for Students)プログラム」などの事業を通じて、交換留学などを進めてきました。2020年には、インドネシアのガジャマダ大学に本学として初めての海外オフィスも開設しました。その後の新浪体育感染症で、しばらく対面での国際交流の活動は制限されていましたが、今、改めてどの大学も新たな交流を望んでいます。ここから全学的な交流展開と大学を介した地域の国際交流につながるように進めて行きたいと思っています。また、嬉しいことに、今回の訪問では、インドネシアの2大学に短期留学している5名の本学学生と面談することもできました。学生たちの成長をみることができ、また海外で学生生活を送る意義を再確認しました。

 茨城大学は、来年、創立75周年、さらに最も古いルーツ校である拡充師範学校の創設から数えて創基150周年という節目を迎えます。鈴木亰平初代学長の「野心満々たれ」という言葉を忘れずに、未来に向けて今年も挑戦していきたいと思います。

 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

2023年1月6日
茨城大学 学長 太田 寛行